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7 不動産特定共同事業関係
7-1 不動産特定共同事業契約から除かれる契約
不動産特定共同事業法(以下「法」という。)第2条第3項に規定する不動産特定共同
事業契約から、契約(予約を含む。)の締結の態様、当事者の関係等を勘案して収益又は
利益の分配を受ける者の保護が確保されていると認められる契約(予約を含む。)として
除かれるものが不動産特定共同事業法施行令(以下「令」という。)第1条各号に掲げる
「不動産特定共同事業から除かれる契約」であるが、この不動産特定共同事業契約から
除かれる契約の範囲について照会等があった場合には、以下のとおり判断するものとす
る。
7-1-1 令第1条第1号に掲げる契約
(1) 令第1条第1号に掲げる契約は、法第2条第3項第1号に掲げる契約で株式会社
と株主が当該株式会社の利益の分配のために締結するものは、会社法の規定により
既に株主の利益の保護が図られていると認められることから、不動産特定共同事業
契約から除外するものであること。
(2) したがって、株主以外の者からも出資を募る場合又は株主から当該株式会社の利
益の分配として行うもののほかに追加出資を募る場合まで含むものではなく、これ
らの場合は、法第2条第3項の定義に照らして改めて不動産特定共同事業契約に当
たるか否か判断することとなるものであること。
(3) また、契約の締結の態様が令第1条第1号に類するものとして不動産特定共同事
業契約から除外されるものが不動産特定共同事業法施行規則(以下「規則」という。)
第1条第1号及び第2号に掲げる契約であること。
(注1)規則第1条第1号に掲げる契約は、法第2条第3項第2号から第4号まで
に掲げる契約で令第1条第1号と同様に株式会社が株主に対して当該株式会
社の利益の分配のために締結するものであること。
出資等の目的である財産が利益の分配すなわち配当相当額の範囲にとど
まり、令第1条第1号と同様、会社法の規定により株主の利益の保護が既に
確保されていると認められるものとして除外するものであるが、株主以外の
者からも出資等を募る場合又は株主から利益の分配として行うもののほか
に追加出資等を募る場合まで含むものではないことは、(2)と同様であるこ
と。
(注2)規則第1条第2号に掲げる契約は、株式会社がその株主と締結する法第2
条第3項第1号から第4号までに掲げる契約で、当該株主の所有する株式が
当該契約に係る出資又は賃貸若しくは賃貸の委任を行う当事者(事業参加者)
としての権利及び義務(いわゆる契約上の地位)に転換されるものであって、
かつ、その地位がすべて株式から転換される場合のものである。このように、
その地位がすべて株式、すなわち株主としての権利及び義務から転換される
こと、転換される際に株主として会社法の規定によりその利益の保護が図ら
れていること等により不動産特定共同事業契約から除外されるものであるが、
株主以外の者からも出資等を募る場合又は株主からその株式から転換される
出資等相当分のほかに追加出資等を募る場合まで含むものではないことは、
(2)と同様であること。
7-1-2 令第1条第2号に掲げる契約
(1) 令第1条第2号に掲げる契約は、親会社がいわゆる100%子会社に対して出資
を行う匿名組合契約であり、一般にこうした親会社は、子会社の行う事業のリスク
を自ら回避できるだけの経営上の支配力を有していると考えられることから、その
当事者の関係等を勘案して本法の保護の対象とはしないものであること。
(2) したがって、当該親会社に加えて他の事業参加者からも出資を募る場合は、これ
に含まれず除外されないものであること。
7-1-3 令第1条第3号に掲げる契約
(1) 令第1条第3号に掲げる契約は、法第2条第3項第3号に掲げる契約のうち、対
象不動産を共有することとなった原因が、不動産特定共同事業契約締結以前に、不
特定又は多数の者に宅地建物取引業者により、又はその代理若しくは媒介により販
売されたことによるもの(いわゆる「事前販売型」のもの)以外のものを除外する
ものであること。
(2) したがって、例えば相続によって共有となった不動産を目的とする賃貸又は賃貸
委任契約は、不動産特定共同事業契約から除かれるものであること。
(3) 令第1条第3号に規定する「販売」とは、不特定又は多数の者に対する売却を意
味し、例えば等価交換及びこれらに類すると認められるもの又はあらかじめ特定さ
れた者のみに対する売却は含まれないものであること。
7-1-4 令第1条第4号に掲げる契約
(1) 令第1条第4号に掲げる契約は、契約に係る権利を表示する証券又は証書が発行
されるもので、その募集につき証券取引法又は同法に相当する外国の法令の適用が
あるものについては、これらの法令によって既に投資家の利益の保護が確保されて
いると認められることから重ねて本法の保護の対象とはしないものであること。
(2) また、契約の締結の態様がこれに類するものとして、規則第2条では、契約に係
る権利を表示する証券又は証書(その募集につき、証券取引法又はこれに相当する
外国の法令の適用のあるものに限る。)が発行による代わりに登録による場合を規
定したものであること。
この場合も、(1)と同様に既に証券取引法又はこれらに相当する外国の法令によ
り投資家の利益の保護が確保されていると認められるため、不動産特定共同事業契
約から除外されるものであること。
7-1-5 令第1条第5号に掲げる契約
令第1条第5号に掲げる契約は、法第2条第3項各号に掲げる契約で、国内で契約
の締結の勧誘が行われ、契約の当事者が一時的に外国に移動して外国において締結さ
れるもの(すなわち、その後の収益又は利益の分配等の行為が国内で行われる場合に
事業参加者の利益の保護の確保がすでに図られているものとは認められないもの)以
外の契約とされていること。
7-1-6 その他
(1) 法第2条第3項第2号に掲げる契約には、例えば、森林組合法(昭和53年法律
第36号)第9条第7項又は第101条第6項の規定に基づき森林組合又は森林組
合連合会が行う事業に係る契約等、特別法の規定に基づき設立された組合が行う同
法に基づく事業に係る契約は含まれないこと。
(2) 法第2条第3項第3号に規定する契約に関し、単に、宅地建物取引業者が賃貸又
は賃貸の委任を受けることを約束して不動産を売却する行為自体は、私法上の契約
又は宅地建物取引業にすぎない行為であり、不動産特定共同事業には当たらないこ
と及び宅地建物取引業者が法第2条第3項第3号に規定する賃貸又は賃貸委任の
目的となることを示さずに、単に賃貸又は賃貸委任の目的であることを約して行っ
た不動産の販売又は媒介若しくは代理に係る不動産の賃貸又は賃貸の委任を受け、
第三者に賃貸を行う行為も不動産特定共同事業には当たらないものであること。
7-2 許認可届出事項
不動産特定共同事業者から許認可申請及び届出があった場合には、以下のとおり事務
処理を行うものとする。
7-2-1 許可の申請
法第5条第1項及び第8条第1項に規定する許可申請書の提出があったときは、次
に掲げる事項に留意するものとする。
(1) 許可申請書の添付書類において必要な官公署が証明する書類は、申請日前3月以
内に発行 されたものであること。
(2) 財団法人又は外国法人にあっては、法第5条第2項第1号に規定する「これに代
わる書面」として、定款若しくは寄附行為に準ずる書面を添付していること。
(3) 外国法人である場合には、法第5条第2項第2号に規定する「これに代わる書面」
として、本国における主たる事務所に係る登記事項証明書又はこれに準ずる書面及
び国内の主たる事務所に係る登記事項証明書を添付していること。
(4) 規則第5条第2項第2号に規定する「これに代わる書面」を提出する場合におい
て、国内に在留する外国人である場合にあっては外国人登録証明書の写し又は外国
人登録済証明書を、国内に在留しない外国人である場合にあっては本国の住民票の
写し又はこれに準ずる書面を添付していること。
なお、国内に在留する外国人又は国内に在留しない外国人である場合における
「これに準ずる書面」の書式について照会があった場合は、別記様式を参考とする
こと。
7-2-2 許可の基準
法第3条第1項に規定する許可を行う場合にあっては、次に掲げる事項に留意する
ものとする。
(1) 法第2条第3項各号に掲げる契約の種別ごとの約款の記載内容については、(財)
土地総合研究所による「不動産特定共同事業の約款等に係る研究会報告書」(平成
7年3月)及び「不動産特定共同事業の制度変更に伴う標準約款の見直し検討委員
会報告書」(平成12年3月)を参考とし、約款の審査を行うものとする。
(2) 財産的基礎を有する者として規則第8条の2第1号に規定する財産及び損益の
状況が良好であるものとして、最終の決算において当期利益を有し、かつ、金融支
援を受けていないなど財務内容が良好であること。
7-2-3 変更の認可
規則第11条第1項に規定する認可申請書の提出があったときは、次に掲げる事項
に留意するものとする。
(1) 業務の種別を変更する場合にあたっては、当該変更後法第7条第1号に規定する
許可の基準を満たしていること。
(2) 約款を追加又は変更する場合にあたっては、当該変更後法第7条第5号に規定す
る許可の基準に適合していること。
(注)約款の追加又は変更は、令第5条及び規則第8条の規定により定められた事
項以外の事項の追加又は変更については、規則第10条の規定により「軽微な
追加又は変更」とされており、認可を受ける必要はない。また、約款の追加又
は変更のうち、単に字句を修正する程度のものについては、この趣旨に照らし
て認可を受ける必要はないが、変更後の約款を国土交通大臣に提出させること。
(3) 事務所を追加して設置しようとするときは、当該変更後法第7条第4号に規定す
る基準を満たしていること。
7-2-4 変更の届出
規則第12条第1項に規定する変更届出書を受理したときは、当該変更後、法第7
条に掲げる許可の基準を損なうものでないことに留意するものとする。
(注)変更に係る事項について法第7条に掲げる基準に適合しないと認められるとき
は、当該届出に係る不動産特定共同事業者に対し、速やかに、法第39条に基づ
く指導等が必要となることに留意するものとする。
7-2-5 主務大臣等
不動産特定共同事業者が法第3条第1項の許可を受けた後次の(1)又は(2)のいず
れかに該当し引き続き不動産特定共同事業を営もうとする場合においては、主務大臣
の変更が生じ新たに許可を行う必要があるため、法第49条第1項第1号に該当する
場合にあっては金融庁長官及び国土交通大臣に、同項第2号に該当する場合にあって
は国土交通大臣に、法第5条に規定する許可申請書の提出が必要であることに留意す
るものとする。
(1) 国土交通大臣の許可を受けた者が法第49条第1項第1号に掲げる事項に係る
事業を行おうとするとき。
(2) 金融庁長官及び国土交通大臣の許可を受けた者が法第49条第1項第2号に掲
げる事項に係る事業のみを行おうとするとき。
7-3 業務に関する事項
法第14条第2項、第16条第1項、第18条第3項、第20条、第21条、第22
条、第24条第1項、第25条第1項、第26条第1項及び第44条の規定に係る監督
に当たっては、投資者保護の観点から、次に掲げる事項に留意するものとする。
7-3-1 投機的取引の抑制(法第14条第2項)
例えば、不動産特定共同事業者が地価の上昇による転売益のみを目的として対象不
動産を短期的に売却する行為は、行ってはならないものであること。
(注)法第14条第2項に違反したと認められる場合には、第34条又は第35条に
規定する指示又は業務停止処分の対象となることに留意するものとする。
7-3-2 標識の掲示(法第16条第1項)
(1) 法第16条第1項に規定する「公衆の見やすい場所」とは、事務所の内外を問わ
ず事業参加者が容易に見ることができる場所をいうものであること。
(2) 標識の材質については、金属等長期の使用に耐え得るものを用いていること。
7-3-3 広告の規制(法第18条第3項)
以下の表示は、法第18条第3項及び規則第18条により表示が禁止されている事
項に該当するものであること。
(1) 手数料が無料又は実際のものより著しく低額であるかのように誤解させるよう
な表示
(2) 不動産特定共同事業に係る不動産取引により確実に利益を得られるかのように
誤解させたりして、事業参加者の投資意欲を不当にそそるような表示
(3) 出資金の全額若しくはこれを超える金額に相当する金銭を支払うべき旨の表示
又はこれを行っていると誤解させるような表示
(4) 法第5条の許可申請書に記載した商号又は名称と異なるものを用いた表示
(5) 当該不動産特定共同事業者に有利な不動産特定共同事業契約の締結又はその代
理若しくは媒介の実績のみを掲げる行為
(6) 根拠を示さずに、不動産特定共同事業に係る販売の実績、内容又は方法が他の不
動産特定共同事業者よりも著しく優れている旨を掲げる表示
(7) 社会的に過剰宣伝であると批判を浴びるような過度の宣伝と認められる表示
(8) (1)から(7)までに掲げる事項のほか、「不当景品類及び不当表示防止法(昭和
37年法律第131号)」又は「屋外広告物法(昭和21年法律第189号)」に基
づく都道府県の条例その他法令に違反するおそれのある広告
7-3-4 不当な勧誘行為等の禁止(法第20条、第21条及び第22条)
法第20条、第21条及び第22条並びに規則第19条の規定により不当な勧誘行
為等に該当するかについて照会等があった場合には、以下のとおり判断するものとす
る。
(1) 社会的に過剰な営業活動であると批判を浴びるような勧誘をする行為は、規則第
19条第2号及び第3号の規定により禁止されるものであること。
(2) 不動産の空室リスク等を投資家に負わせないよう、一括転貸借契約、保証契約そ
の他により、信用補完措置が適正になされている場合において、その根拠を示し予
想利回りを表示する行為は、規則第19条第5号及び第6号により禁止されるもの
ではないこと。
(3) いわゆる事前販売時において、持分の購入代金に関し金銭の貸付け又はその媒介
等を行う行為は「不動産特定共同事業に関する」ものではなく、法第22条により
禁止されるものではないこと。
7-3-5 不動産特定共同事業契約の成立前の書面の交付(法第24条第1項)
(1) 法第24条第1項の規定により交付される不動産特定共同事業契約の成立前の
書面において、規則第8条に規定する約款の内容が記載されていること。
(2) 法第24条第1項の規定により行う説明については、申込者に不動産特定共同事
業契約の内容及びその履行に関する事項を理解させることを目的に行うものであ
る。この目的を踏まえ、説明にあたっては、図表等及び電子機器を適宜用いる等投
資家の理解を深めるために適切に実施されるものであること。なお、申込者が遠隔
地に居住する場合等、対面により説明を行うことが困難な場合には、必ずしも対面
による説明を要しないが、その場合には、ビデオ、DVD等の電子媒体を適切に活
用するとともに、投資家からの個別の質問に対応できる 体制を確保すること。
7-3-6 不動産特定共同事業契約の成立時の書面の交付(法第25条第1項)
法第25条第1項の規定により交付される不動産特定共同事業契約の成立時の書
面において、規則第8条に規定する約款の内容が記載されていること。
7-3-7 書面による解除(法第26条第1項)
事業参加者に対し事前販売が行われた不動産を対象とする不動産特定共同事業契
約が、法第26条第1項の規定により解除された場合にあっては、当該事前販売に係
る売買契約についても解除されることとなるよう措置されていること。
7-3-8 許可の取消等に伴う業務の結了(法第44条)
法第44条に規定する「不動産特定共同事業者が締結した不動産特定共同事業契約
に基づく業務を結了する目的」とは、私法上の契約を確実に履行させるためのものを
いい、事業参加者の利益を損なうものであってはならないこと。
7-4 都道府県知事に委託する事務
法第48条の2の規定に基づいて、地方自治法第2条第9項第1号の法定受託事務と
して、都道府県知事に委託する事務の取扱いについては、以下のとおりとする。
7-4-1 許可申請書について
法第5条第1項及び第8条第1項に規定する許可申請書(添付書類を含む。)の提
出があったときは、当該書面に不備がないか確認の上、当該申請書の正本1部及び写
し1部を国土交通大臣に送付すること。
7-4-2 変更認可申請書について
法第9条第1項及び第2項に基づき規則第11条第1項に規定する変更認可申請
書(添付書類を含む。)の提出があったときは、当該書面に不備等がないか確認の上、
当該申請書の正本1部及び写し1部を国土交通大臣に送付すること。
7-4-3 変更届出書について
法第10条に基づき規則第12条第1項に規定する変更届出書(添付書類を含む。)
を受理したときは、当該書面に不備等がないか確認の上、当該申請書の正本1部及び
写し1部を国土交通大臣に送付すること。
7-4-4 廃業等届出書について
法第11条第1項に基づき規則第13条第1項に規定する廃業等届出書の提出があ
ったときは、当該書面に不備等がないか確認の上、当該申請書の正本1部及び写し1
部を国土交通大臣に送付すること。
7-5 検査結果に基づく監督上の処分に係る標準処理機関
法第34条から第37条まで及び第39条に基づき監督上の処分を命ずる場合には、
検査部門からの検査結果通知(写)を受理したときから、おおむね2ヶ月以内を目途に
行うものとする。
なお、当該検査結果通知(写)において指摘された事項等につき、事実確認等のため
に不動産特定共同事業者に対して報告徴求を行った場合は、報告書を受理したときから
おおむね2ヶ月以内を目途に行うものとする。
(注1)「報告書を受理したとき」の判断においては、以下の点に留意する。
ⅰ)複数回にわたって法第40条第1項に基づき報告を求める場合(直近の報告
書を受理したときから上記の期間内に報告を求める場合に限る。)には、最後
の報告書を受理したときを指すものとする。
ⅱ)提出された報告書に関し、資料の訂正、追加提出等(軽微なものは除く。)
を求める場合には、当該資料の訂正、追加提出等が行われたときを指すものと
する。
(注2)弁明・聴聞等に要する期間は、標準処理期間には含まれない。
(注3)標準処理期間は、処分を検討する基礎となる情報ごとに適用する。
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